事例紹介04
~野菜にも最適な空間を~
植物工場における温湿度・風速の均一化と低コスト化の実現
山村JR貨物きらべジステーション株式会社様は、高品質な機能性野菜を「きらきらベジ」の名称で販売されています。それらの野菜はクリーンかつ環境制御された植物工場で栽培されていますが、当社はその植物工場の空調・衛生・電気・養液設備工事を担当いたしました。
施工に際して、工場の高い天井高を最大限利用した10段を超える多段大型栽培ラックの設置において、エリア毎に気流や温湿度ムラが発生すると野菜の生育ムラが発生してしまうことが課題となり、それに対してシミュレーション技術や気流可視化技術を用いた気流方向・風速の確認を綿密に行い、温湿度・風速が均一化された環境を構築しました。
- 課題
- 多段大型栽培ラックの設置計画において、棚の上段・中段・下段や中央・端部に気流や温湿度ムラが生じる=野菜の生育ムラが生じる可能性がある。
- 対応策
- 事前に気流・温湿度シミュレーション、試験調整時に気流可視化の技術を用いて、気流や温湿度分布を確認しながら、空調機器の最適な組み合わせや配置調整を行った。
1 気流・温湿度シミュレーションと気流可視化技術による確認
- 気流・温湿度シミュレーションを駆使して、各エリアの分布を見ながら吹出・吸込口の位置や風向・風速の事前検討を行い、その結果をもとに最適な空調機器配置の設計図を作成しました。
- 施工後の試験において、栽培棚内の気流方向・風速・温湿度の測定や、気流可視化技術を活用した粒子画像流速測定法を用いて気流性状の確認も行いながら最終調整を実施しました。
2 結果
その結果、比較的汎用な空調機器を活用して互いに適切に作用するように工夫して配置したことにより、大空間における多段大型栽培ラックのどのエリアでも気流や温湿度にムラが無く、野菜栽培に適した特殊な環境を構築することができました。同時に、メンテナンス性や更新性にも優れ、イニシャルコストの低減を実現したシステムを提供することができました。