朝日工業社SUSTAINABILITY

お客さまのために

お客さまのために

お客さまのためにお客さまのために

朝日工業社グループは、多種多様なニーズを捉えた技術提案と社会課題の解決に取り組み、また施工・製造における品質の確保に努めて、お客さまに「信頼」と「安全」をお届けしています。

ファシリティマネジメント(FM)提案活動の推進

脱炭素社会の実現など、お客さまの地球環境への関心がますます高まる中、当社は以前から脱炭素化につながる技術をはじめとした環境負荷低減システムの研究・技術開発を重ねてきました。現在はその取り組みを強化するとともに、お客さまへのFM提案活動を推進しています。当社には認定ファシリティマネジャーの資格取得者が多数在籍し、FMを強化・推進するための全社的な体制を構築しており、お客さまが保有する施設の省エネ化、低コスト化を実現するだけではなく、施設全般および利用環境を総合的かつ統括的に企画、管理、活用することを念頭に、積極的に提案活動を展開してお客さまの経営課題の解決をサポートしています。

※ファシリティマネジメントとは、ファシリティ(土地、建物、構築物、設備等)すべてを経営にとって最適な状態(コスト最小、効果最大)で保有し、賃借し、使用し、運営し、維持するための総合的な経営活動であり、ファシリティの維持、保全のみでなく「よりよいあり方」を追求します。

技術・ソリューション提案の推進

当社は創業以来、お客さまの多種多様なニーズや課題を解決するために、最適かつ安全な技術の開発と提案を重ねてきました。近年は技術革新や社会情勢の変化に伴い、お客さまのニーズが高度化し、また社会課題も複雑化していますが、当社はそれらに対して長年培ってきた高い技術力と経験に基づく技術・ソリューション提案を積極的に行い、お客さまから満足と信頼を得ています。

事例紹介~大空間の省エネを見極める~
大型倉庫における空調方式最適化評価技術の活用

森永乳業株式会社様は日本を代表する乳製品メーカーであり、牛乳類をはじめとしたさまざまな乳製品を製造・販売され、世界中の食卓に「健康と幸せ」、そしてかがやく“笑顔”を届けられています。今回、森永乳業様の製造拠点の一つである神戸工場において、資材・外包装を保管する大型倉庫の空調設備での省エネ化を提案してほしいとのご相談をいただいたことから、当社の有する空調方式の最適化評価技術を活用し、温度・気流・空気齢の各種シミュレーションおよび結果の解析を実施いたしました。

空気齢とは、窓や給気口などから室内に入ってきた空気が、一定地点に到達するまでにかかる時間のことで、室内の換気の状況を表すために用いられます。室内に給気される風量が多くなれば新鮮な空気が早く到達するため空気齢が短くなり、空気が新鮮であることを表しています。一方で、給気される風量を多くすれば、それだけ必要となる電力量も増えることになります。
今回は夏季冷房使用時において給気風量別に3パターンに分けて空気齢のシミュレーションを実施し、解析を行いました。

解析結果

空気齢シミュレーションの結果を解析したところ、室内に給気される風量を少なくするにつれて冷房運転による冷たい空気が沈み込み、室内下方では空気が循環しているのに対して、室内上方では空気が滞留し、空気齢が悪化していました(図2参照)。
このままでは省エネを実現できたとしても換気能力が足りず、倉庫内の空気環境の悪化を招くことになるため、さらに検討を進めた結果、室内に給気される風量を減らしたままでも既存の吹出口のサイズを調整することで吹き出す風速が増し、室内上方の空気を循環させる効果があることが判りました(図3参照)。これにより風量を現状から50%ほど削減することで、換気にかかる消費電力を当社計算上の数値としておよそ70%低減することが可能であると予測されています。
森永乳業様には、余剰な換気風量の削減による省エネ効果および吹出口サイズの変更による空気齢の改善効果をご報告し、今後省エネ化に向けてさらに具体的な対応策をご提案する計画となっています。

これまでの技術・ソリューション提案事例

品質向上への取り組み

設備工事事業

施工管理方針
[重点目標]
品質トラブル『ゼロ』
環境配慮施工
[重点施策]
確かな計画
確かな施工
CO₂排出量の低減
[重点事項]
リスクの抽出と排除
品質確認・記録の完全実施
省資源・省力化工法の積極採用

品質トラブルの未然防止

品質トラブルの未然防止

施工現場での品質トラブル「ゼロ」を目指して、過去10年間における品質トラブルの要因分析を行い、トラブル未然防止対策を策定し、全店会議や社員研修の場で水平展開しています。また、全国の施工現場で施工パトロールを計画的に実施して、設計内容を踏まえた技術指導や過去のトラブル事例による注意喚起を行うとともに、工程管理やコスト管理が適切に行われているかを確認するなど、高い品質と適切な施工管理体制の確保に取り組んでいます。

施工現場での業務効率化に向けて

現場業務の効率化は施工現場の品質向上における重要な取り組みの一つです。主にタブレット型端末、ドローン、自動墨出しシステム、3Dスキャナ等の活用促進に取り組んでいます。また、RPAの積極的な活用とともに、現場管理に役立つ技術情報や管理書類などを掲載したデータベースの活用によって業務効率の向上も図っています。

タブレット型端末による施工管理
タブレット型端末による施工管理
屋内狭所空間でのドローンの活用
屋内狭所空間でのドローンの活用
自動墨出しシステムによるレーザー墨出し
自動墨出しシステムによるレーザー墨出し

「技術発表会」を通じた技術の伝承

技術発表会のウェブ配信の様子
技術発表会のウェブ配信の様子

当社では毎年10月に、全国の施工現場の中で採用された選りすぐりの技術を発表し、優秀技術賞を選出する「技術発表会」を開催しています。ビデオ会議システムを通して全国の各拠点からリモートでの視聴が可能となり、発表者に対して活発に質問が行われるなど、事業店間の交流が図られ、技術伝承の場として意義のあるイベントになっています。また、優れたVE事例の紹介を行うなど、技術の発表だけにとどまらず、技術者自身のスキルアップにつながる学びの場にもなっています。

※VE(Value Engineering)とは、最小のライフサイクルコストで必要な機能を確実に達成するために行う製品やサービスの機能的研究のことであり、単にコストダウンを図るのではなく、あくまで機能とコストの両面から、価値の向上を図ることを最大の目的としています。

機器製造販売事業

品質方針
[方針]
お客様が満足する製品・サービスを提供する
[活動]
  • 流出不具合を無くすことを目指した活動とする
  • ノウハウを蓄積、活用して品質向上を図る
  • 各部門・工程でさらに品質改善活動を強化する
[キーワード]
  • お客様第一
    お客様情報(仕様・クレーム)を良く確認し周知する。
  • 機器事業部の作業指針(標準書、手順書)に従う
    標準化された⼿順に基づく設計・組⽴。
  • PDCAは品質改善であり、経営改善サイクルである
    明確な数値や指標を設けること。
  • 是正・予防策を実施するのに必要な教育と訓練を行う
    品質連絡票を用いて不具合を迅速に分析し、深掘りすることで対策を充実させる。
  • 技術力向上のため、継続的に教育を行う
    組織・個⼈とも⾃⼰啓発に努める。

「不具合流出ゼロ」への取り組み

「不具合流出ゼロ」への取り組み

「不具合流出ゼロ」の実現に向けた取り組みとして、不具合情報管理システム「品質連絡票DB(データベース)」を構築し、運用しています。本DBでは、不具合が発生した際に原因の深掘り(なぜなぜ分析)を実施して、その結果を必ず入力することをルールとし、不具合原因が複数の工程や協力会社などに起因する場合もDB上で一元管理することで、より有効な再発防止策が策定できます。これまで蓄積された不具合情報を分析して、不具合発生の未然防止を図り、「不具合流出ゼロ」を目指していきます。

製品含有化学物質の管理によるグリーン調達の推進

品質改善活動の強化の一環として、特定有害物質の使用を制限しているRoHS指令やREACH規則等に対応したグリーン調達活動を実施しています。サプライヤーには納入部品を構成する化学成分の調査を依頼し、サプライチェーン全体で得られたデータを専用管理システムに登録して評価し、その評価データを設計段階での部品選定に活用しています。化学成分の調査およびお客さまへの情報提供には、JAMP(アーティクルマネジメント推進協議会)が推奨しているデータ作成支援ツール(chemSHERPA)を活用することで、確実かつ効率的な管理を行っています。

製造現場へのデジタル技術の導入

現場帳票電子化システムを活用した作業の様子
現場帳票電子化システムを活用した作業の様子

製造現場における生産性向上を目的として、作業分析ソフト(OTRS:Operation Time Research Software)を導入し、さまざまな製造工程に潜む3M(ムリ・ムダ・ムラ)の見える化と排除を行っています。また、現場帳票電子化システム(I-Reporter)を活用して、動画や写真、3D解析等の視覚効果による作業指示をタブレット型端末で確認できるようにし、製造ノウハウの標準化と手順化を容易にするとともに、協力会社との情報共有を円滑にして品質の均一化を図っています。

作業分析ソフト(OTRS)により、半導体露光装置向け空調機の製造において1.53倍の生産性向上を実現