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熱源最適運転制御システム
2020年以降の温室効果ガス排出削減等のための新たな国際的枠組みであるパリ協定の発効を受け、我が国では国際社会に対して、2030年度に「2013年度比マイナス26.0%のCO2排出量の削減」を掲げています。しかし国内の業務部門(事務所・ビル、商業・サービス業等)からのCO2排出量の削減は順調に進んでいるとはいえず、とりわけ照明機器と空調設備における省エネ化は重要な対策に挙げられます。
当社が開発した「ACOSTM」(CSRレポート2013で紹介)は、空調設備における既設の熱源全体を効率よく稼働させることにより、大きな省エネ効果を実現し、環境負荷の低減に貢献してきましたが、この度、お客さまのあらゆるニーズにさらにお応えするため、ACOSTMの機能を部分的に活用した「AF-CONTM」と「C-CONTM」を開発しましたので、あらためてご紹介します。
実現可能な省エネ機能
従来制御との比較を下表に示します。さまざまなニーズに対応可能とするため、熱源の最適な組合せだけではなく、冷水設定温度の自動可変設定、補機動力の可変制御、熱源単位でのフリークーリング有効/無効設定にも対応し、1次側での省エネを実現しています。
1 補機動力の可変制御
通常冷却水動力(冷却塔+冷却水ポンプ)は定速運転され、冷却水のバイパスで水温制御を行っています。このため、負荷が下がるほど無駄な運転をしていることになります。この無駄をなくすため、外気湿球温度をモニタリングし、「可変水温制御+往還温度差制御」による最適省エネ運転を行います。
1次ポンプは、2次流量をフィードバックし、稼働中熱源の定格能力比率で各系統の1次流量設定値を最適に可変制御することで、無駄なバイパス流量を削減します。
2 冷水設定温度の自動可変
通常冷水設定温度は年間を通して固定値で運用されていますが、負荷が小さいときや除湿が不要な時期は過冷却状態と言えます。こう言った課題を改善するため、外気露点温度や負荷率によって冷水設定温度を自動で可変します。これによって、フリークーリング有効期間の延長、熱源単体COPの向上と言った効果が得られます。
3 フリークーリングの自動切換
フリークーリング(FC)運転は、外気湿球温度が十分低下したとき、冷凍機を停止して、冷却塔で冷水を生成します。これにより、冬期の冷凍機動力分が削減されます。
フリークーリングを行う熱源系統は、水冷熱源の中から任意に選択可能としています。
4 複数熱源の最適制御
同種/異種の複数熱源が混在するシステムにおいて、負荷熱量と外気温度湿度、熱源機器情報を入力し、1次側全体でコストまたは原油(CO2)換算の何れかが最適となる熱源系統の組合せを常時シミュレーションしながら、熱源の最適稼働制御を行います。
5 デマンド管理
ACOSTTMでは、中央監視からの信号により稼働中熱源を保持し、熱源の増段を抑制することが可能となっています。
適応範囲
各ツールの適応範囲を示します。ACOSTMが1次側全体、AF-CONTMが系統単位、C-CONTMが冷却水の最適制御を行います。
製品紹介
ACOSTM、AF-CONTM、C-CONTMの3種類のラインナップとしたことで、規模の大小に関わらず、さまざまな熱源構成に対応することができます。それぞれの製品の機能を紹介します。
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