朝日工業社LABO

論文詳細

研究論文 No.374

近赤外分光による培養液中の複数イオン濃度同時計測手法の開発

発表先

日本生物環境工学会大会

発表者

福山太郎(玉川大学)、中島啓之、井上克哉

内容

現在水耕栽培における培養液管理は、主に電気伝導率(EC)とpHセンサによって行われている。一方で、ECおよびpHセンサによる管理は、培養液の定期的な更新が必要であり、水や鉱物資源を多量に廃棄するため、環境・ビジネス両面で損失が大きく改善の余地がある。この原因の1つとして、植物におけるイオンごとの吸収速度が異なることによる、培養液のイオン濃度バランスの崩壊が挙げられる。この問題点を解決するには、培養液中のイオンごとに濃度制御を行う、単肥制御が考えられる。この単肥制御を行うには、各種イオン濃度を個別計測しフィードバック制御を行う必要がある。しかし、現在のところ実用的な制御に適したセンサは存在しない。
そこで本研究では、近赤外(NIR)スペクトルを用いた植物栽培培養液中に含まれる複数イオン濃度を同時かつ高速に計測する手法を検討した。NIR分光装置による水の吸収スペクトル計測により各種イオンを同時かつ高速定量ができればフィードバック制御に適したセンサになりうると考えた。

発表年月:2022.9